PINFU

毎日書く訓練

ディオニソスの祭り(10)

2024/02/26
 神様にいじめられているような感じがした日だった。Mさんは五日も前の日記を平気で書く。日記祭で会ったときにビール飲みながらお話しして、Mさんは今年に入ってから自分でホームページを作って、それまではnoteに日記を書いていたけれど、時間が前後するがおとといだかのあづきさんとスペースしたときに輪に入ってくれて、
「この記事が多く読まれていますとか、記事に対していいねするとか、そういうのが嫌になって自分でホームページ作るようになった」
 と話していて、それでいうとはてなブログなんか広告たくさんあって、noteから移ってきたときにはかなりそれがうっとおしかった(今は慣れてしまった。あんまりいいことではないのかもしれない)からはてなブログなんかもっと書きづらいだろうな、と思ったけど、それで日記祭で会ったときに、Mさんは三日分とか四日分の日記を一気にアップするから、
「これは書き溜めておいて溜まったところで公開するって感じなんですか?」
 と聞いたら、
「そうじゃなくて、書いてないんですよ。毎日書いてなくて、三日ぐらい経つとヤバいそろそろ書かなきゃってなってきてそれで思いだしながらやっとのことで書いて、それでアップしてます」
「じゃああれ一気に書いてるってことですか?」
「そうです、一気に書いてます」
「そんなに覚えてられるんですか?」
「ぜんぜん覚えてないんすよ笑」
 笑い事じゃない。日記の書き方って人それぞれでほんとおもしろいな、と思うけれど、俺は「四日前の日記書いてください」って言われても四日前なんて覚えてないから、よほどなにかイベントだったら覚えているかもしれないけど、覚えてないというよりその日の手触りがもうないから書く手がかりがない。だから忘れないうちに、もう二日経ったら覚えてないので遅くとも翌日には書かないと間に合わない。でもMさんは四日前の日記も平気で書く。もしかした本人としたら四日後に書くよりその日のうちに書いた方がもっと詳しく書けるのにな、って思っているのかもしれないけれど、でもたぶん、その思いが強烈にあったらなにがなんでもその日に書くだろうから、そこまで「今日中に書かなきゃ」って気持ちはないんじゃないか。だから四日後でもある程度、自分の中にあるクオリティーを保てるというか、クリアできる。
 他人の俺が読んでも、ちゃんと(ちゃんと、なんて言うのは失礼だけど)、四日後に書いた日記だとは思えない。その日の感じが出ている。
 Mさんの日記の中で小鳥書房文学賞の話がでていた。三日の日記を四〇〇〇字以内でという応募規則で、二日で越えちゃうよ、と思ったが、ぜんぜんそんなことなかったので送ることにしたいが、八〇〇~五〇〇字くらいオーバーしてしまう。