PINFU

毎日書く訓練

2023/12/31

 きのうの日記で「あ」しか書いてないのはきのうケイタとそんな話をしたからだ。
 このまえ会ったときに日記渡したじゃん、
 うん
 べつに読まなくていいんだけど、読んだ?
 最初の三ページくらい読んだ
 三ページくらい読んでくれた
 うん
 日記って興味ある?
 俺はあんまりない
 俺もないんだよ
 うん
 小説なら読む
 うん、小説の方が読みたいかも
 そっか。
(いろいろ話して)
 なんで日記書いてるの?(これはケイタ)
 今日もやってるな、ってそれだけでいいんだよね
 うん
 内容はどうでもよくて、インスタのストーリーに毎日アップしてたときもあったけど、あっ今日も書いてるな、で、次の日も今日も書いてる、明日も書いてる、それで十分なんだよね
 じゃあ最悪「あ」って一文字書いてあるだけでもいい?
 いい。とにかく今日更新されていればそれでいい
 ケイタはなかなかするどいことを言って、
 安堂が見ている世界を見たいんだよ
 保坂和志も、
 小説は筋がいいとか、文章がいいとかそんなことはどうでもよくて、書いてるその人の世界と触れ合ってる感じとかを書くもので
 ケイタは保坂和志は知らない、
 いつもインスタに上げてる小説はむずかしそうだね
 むずかしくない、ただ俺のインスタにアップするセンスがないだけだ。
 それでいうと、大晦日にやっていたWBCの番組の中で、大谷が外野のフェンス(クッション)のところに八種類ぐらいの重さの違うボールを、テニスでいうと「壁打ち」のように十球ずつ投げる、あれはなにをしているんですか?という解説があって、それに大谷が答えていて、
 あれをすると動きのセンス・巧さみたいなものが磨かれるんです
 と言っていたが、わたしはすげー、と言ったら父もすげー、と言って、
 もう意味わかんねぇな
 わたしと父はそんなに話をしないが意見が合った。ただ大谷のこの言葉はすごい。「動きのセンス」っていう言葉のチョイスがすごい。
 それと先発ピッチャーを任されてブルペンで甲斐に指示をだしているところも、普段の会見やインタビューのときとは違う、宮崎駿が『風立ちぬ』を作っていたときに言っていた、
 あの時代のインテリはキー高めで早口でしゃべるんですよ
 という、まさにそのしゃべり方で、大谷のあのしゃべり方を聞けたのは今日の収穫だった。