PINFU

毎日書く訓練

2023/12/05

佐々木敦による保坂和志(仮)』がおもしろい、保坂和志の『地鳴き、小鳥みたいな』はけっこう前に図書館で借りて読んで、おもしろくて、そのときのことを日記に書いたりもしていたけれど、佐々木敦のこの本を読んで、あれは激ヤバテクストだったことがわかった。
 その「ヤバさ」をうまく説明はできないんだけど、きのうは寝る前に布団の中で読んでいて、
「地鳴き、小鳥みたいなってヤバいじゃん」
 って思いながら寝た。
 小島信夫もそうなんだけど、その「ヤバい」っていうのが明らかに、見れば誰でもわかるような気違いさではなくて、一見普通というか、そこまでヘンな風には見えないんだけど、ちょっと薄皮を剝いでいくと、いや、そういう比喩的なことじゃなくて、もっと単純に、どういう精神状態でこのテクストを書いたのか疑いたくなる、というか、こんなことしてたら気が狂いませんか? って感じ。
『未明の闘争』はわたしはまださいごまで読んではいないけれど、『未明の闘争』より、『未明の闘争』以降の作品群がものすごく魅力的で、二、三年前に『未明の闘争』読んでいたときには気がつかなかったことがまだたくさんあるかもしれないけれど、やっぱり『未明の闘争』より『地鳴き、小鳥みたいな』の方がどーかしてる。で、そのどーかしてる『地鳴き、小鳥みたいな』の方が好きで、『未明の闘争』も読み返してみたらちゃんとどーかしているのかもしれない、それは読み返してみないとわからない。
 きのうも引用した安堂ホセと竹田ダニエルの対談、
「例えば歯医者に行ったあとって、数日間だけでも歯への意識が高まるじゃないですか(笑)。そういうことの連続で体を維持することって意外と大事な気がする。定期的に検査には行った方がいいと思う。そろそろ笑い話で済まなくなってくる年齢だから。」
 もう読んだのは二日前だからどういう文脈だったかは忘れた。
 きのう(たしかきのう)向井かけるさんが日記に俺のことを書いてくれた。暇だったから引用をたくさんしてるときの日記だった。今の日記は、とっとと書き上げたいからいちいち引用するのは面倒くさいので引用は少ない。でも『佐々木敦による保坂和志』は、というか、佐々木さんもだけど、保坂和志はすごくいいこと言っていて、本人もちょっとまえにTwitterで、
ゼロ年代保坂和志はいいこと言ってる!」
 って書いてたけど、いいこと言っている。