PINFU

毎日書く訓練

2023/12/29

 仕事をどんどん片付けていく。
 小説を書きたいが書けないのでイライラする。

 じゃあなにを。

 日記みたいな文章をまた書くのか、

 書きたくない、書きたくないときは新しいものが出はじめているときだからうんぬんって坂口恭平が言っていたのを思いだす。

 そんなに毎日書かなくていいんですよ。
 わたしは毎日書きたい、その人はもともと野球部で、ゴリゴリに毎日部活のある人だった、甲子園にも出場して、正直自分はスカウトから声が掛かってプロ野球に行くんだと思っていた。しかし同じ高校に後輩で高橋由伸が入ってきた。彼を見た瞬間にあまりのレベルの違いに挫折して野球をやめた。やることがないから本を読みはじめた。そのまま文章を書き始めた。で、毎日とにかく読んで書いていた。
「なにかを自分に課していないといられないんですよね。たぶんこれは野球部をやっていたことが大きいと思うんですけど」
 毎日部活がある生活をやっていたから毎日なにかしていないと自分が納得しない、こんなに遊んでていいのか、遊んでいるわけでもないけれどなんか落ちつかない。日記を読む気にもならない。日記じゃないんだよな、なにがいいんでしょう。
 本を読むことは社会があたえてくるというか、社会に巻き込まれている時間の感覚から抜け出す方法の一つではあるような気がして、ほかに思いつくのは二度寝、あれをしているときは社会から外れている。仕事に行かないといけない平日は朝から社会の時間に巻き込まれる。
 今日は会社に行かなくていいんだ
 と二度寝をするとき、でもそれは「二度寝できない平日」があるから「二度寝していい休日」が生きる。
 けっきょく社会ありきなっているじゃないか!」
 俺は流行には乗らないよ
 と言っている人も、けっきょく「流行に乗らない自分」というのは流行に敏感じゃないとできない、鈍感だとそもそも今なにが流行しているのかわからないから、のるとかのらないとかできない。
 醒めつつ乗る
 これもいい言葉だな、さめつつは「冷めつつ」なのか「覚めつつ」なのか「醒めつつ」なのか、どれをとってもいいような気もする。『構造と力』が文庫になった。