PINFU

毎日書く訓練

2023/10/29

 なにもしないと日記が昨日と同じようになる。でもほんとうに同じではない。昨日と今日は同じではない。手垢がつきすぎていて言うのが嫌になるけれど、一昨日かな、もっと前だったかもしれないけれど、副社長の話を新人社員全員できく場面があった。べつにうちはブラック企業ではない。でも「狂人は自分を狂人とは言わない」からブラックなのかもしれない。ブラックではあると思う。なんというか、多かれ少なかれブラック的な側面はどこにもある。でも社会的に言う「ブラック企業」ではない、と思う。
 それでどんどん前置きが長くなるけれど、副社長の話の前に、これはただ話を聞くわけではなくて研修として、入社して6ヶ月経ったけどどう? ってテーマでの研修だったんだけど、事前にこんなことがあります、こんなことが困っています、とかレポートの提出を求められていてわたしもそれは適当に書いて提出した。その中から、それをたたき台にして、質問に答えたり、これはこういうことなんじゃないか、ってことに答えたりしているものなんだけど、その中に、
「なかなか仕事ができなくて困っている」
「まわりの先輩たちに迷惑をかけている」
「会社のどこになにがあるのかわからなくて困っている」
 とかそういうようなことが書かれていたらしいんだけど、副社長は、
「そんなのあたりまえで、何十年も働いてるベテランと同じように仕事ができるわけでもないし、しらないことばかりで当然だし、こういうことを言うのはみんなが真面目なのか、それとも上司がこういうことを言っているのか、こういうことを入って6ヶ月のみんなに思わせるような職場なのか、だとしたら問題だけど、みんなはこんなこと考える必要ないですよね。だってまだ6ヶ月しか経っていないんだから。そんなことよりも、ちゃんとご飯食べて、ちゃんと寝て、休みの日はちゃんと休息とって、月曜日から心も体もリフレッシュして元気にきてもらうことがいちばん大事なんで」
 と言っていた。たぶん「ブラック」ではない。しかし上層部の声はなかなか現場には届かないということもあるけれど、まあそこまで話を広げるとわからなくなるので、ブラックではないと思う。
 言われてみれば当たり前の話で、たぶん「そういうこと」つまり、自分はまだまだです、っていう謙遜を書いておけばレポートとしては正解で、それを凝縮したものがあれだったんだろうけど、でもそういうのってずっとそう考えているとほんとうに、わたしはまわりに迷惑をかけていると思いつづけると「わたしは迷惑をかけている」になるし、「問題」は「問題」と認識すると「問題」なる。というか「問題」と認識するから「問題」になる。俺も、わからないよ、もしかしたらこいつのやっていることチョーつまんねえよ、って思っている人もいるかもしれないけれど、わたしの耳にはまったく届いていないので、言われていないのと同じなので、「問題」になっていない。というか言われたからと言って、お前の想定しているところより俺はもっとずっと先に行っちゃっているのでもうそんなところにはいない。毎日文章投稿して、小説なんて恥ずかしいものかいちゃって、それを「わたし小説書いてます」って公言しちゃって、そんなはずかしいことよくできるね、って思考はもう5年も前に通過しちゃったので、小説を書き始めた5年まえだったらそれ言われたらダメージ大きかったけれど、もう友だちはみんな俺が小説書いていることも知ってるし、しかも日記を本にしちゃったことも知っているし、なんなら買ってくれさえいるからもうそこを言われても恥ずかしくない。で、いまの俺が言われてダメージくらうことは、その人にはまったく想像できない境地だからわかるはずもない。
 そんな話はどうでもいい。まだまだ修行が足りない。